検査員が「これは凄い!」とうなった施工方法をや技術・・・・
雨漏り事故の約8割が、屋根ではなく、外壁からの雨水浸入によるものです。その中でも特に多いケースが、サッシ廻りからの雨漏りです。
特に木造用住宅サッシは、鉄骨用、RC用のサッシと比較しても格段に各構成部材の肉厚が薄く、変形に弱いのです。そこで近年、このサッシからの雨漏りを阻止しようと、従来にはあまり見られなかった設置方法を取り入れる会社が多くなってきました。
サッシ自体が柱や、壁の収縮に追随できず、変形して隙間が生じやすいことを念頭におき、コチラの現場の写真のようにサッシの下側にあらかじめ防水シートを余分に敷き込み、なおかつ樹脂製の捨て水切りを下敷きにして排水への対処をしています。
こうしてあれば、例えサッシの隙間から雨が入り込む状況になったとしても、壁の内部に雨が侵入する前に、スムーズに外壁側へと雨水を排水することが可能です。
ふた手間と、材料費などのお金がかかりますが、構造体の変形、外壁のコーキング切れなど、後々必ず起こり得ることを考えれば、安全で親切な施工であると言えるでしょう。
施工会社 神奈川県 (有)トータルハウジング久野
これは基礎のアンカーボルトをセットしたところの写真です。桟木の下に見えるものがアンカーボルトで、桟木を貫通させて左右の固定をしています。そして、桟木の上に置いてあるかのように見えるものが、土台の固定のためにアンカーボルトを締め付ける金物です。この金物を締めたり緩めたりすることでアンカーボルトの高さを調整しているのです。ミリ単位での調整も簡単にできます。アンカーボルトを鉄筋に結束するだけの施工では微調整はできません。また、コンクリートを流し込んだ際、左右にぶれたり、沈み込んだりしてしまう事もあります。それが正確な位置、高さで設置されるのです。建物にとっても良い事ですし、後で施工する大工さんにとっても気持ちのいいものだと思います。木工事の時にだけ使われる物が基礎施工時にも利用されている。お金をかけずに一手間かけた工夫した施工といえます。
施工会社:東京都(株)ベルクハウス
和室の化粧部材である、長押し(ナゲシ)という材料が床の間の床柱にとりつく部分を写した写真です。あらかじめ床柱を欠き込んでから、長押しをそこへはめ込む納め方をしますが、いわゆる「逃げ」が効かない部分で、大工さんの腕の巧拙が出やすい箇所でもあります。そのため接合部にわずかな隙間が開いてしまったり、特に床柱の形状が不均一であったりする場合などは、ココをきっちりと組み合わせないと各部の「ちり」が不ぞろいになって見苦しい仕上がりとなるケースがあるのです。
こちらの住宅では、床柱の形状に合わせ隙間なく長押が取り付けられており、写真では見えないのですが、長押の木口部分の処理も非常に丁寧にできていました。
また、その隣にある押入れの鴨居(建具用の溝の付いた材料の部分)も綺麗に納められていますね。「良い仕事してますねぇー」という台詞が似合う住宅です。
施工会社 神奈川県(有)新世建設
通常、私共の配筋検査では80〜100箇所ほどの部位をチェックをすることになります。
配筋の仕方など、細部にわたってかなり細かくチェックしますので、普通はどこの現場でも程度の差はあれど、1つや2つは何かしら指摘事項が出てしまうものです。コチラは、「指摘事項0」の配筋工事の現場写真です。鉄筋に歪みや傾きなどもなく、通りがまっすぐに整然と組まれているのがお分かりいただけますでしょうか?非常にキレイな配筋工事ですね。
それに加え、通常、2階建ての木造住宅で使用を求められる鉄筋よりも、太い鉄筋が標準仕様として使われていたのも高ポイントです。
コンクリートを打って隠してしまうのがもったいないくらい。これも技術レベルの高い職人さんによる施工の一例です。
施工会社:神奈川県(有)トータルハウジング久野