検査員が「これは凄い!」とうなった施工方法をや技術・・・・
住宅がだんだんと出来上がるにつれ、現場では仕上がった部位や、材料にキズがつかないようにするため養生を施します。
この養生の仕方ひとつにも、その会社の「家づくり」への思いが現れるものです。「腕の良し悪しは、その現場の整頓状況を見るとよくわかる・・・」は、我々も常々、検査の現場において感じていることです。
こちらの写真は、丁度、階段がかかったばかりの家の様子です。この階段ですが、きっちりと専用の養生板が貼られ、砂などが入り込まぬよう周囲をテープで丁寧に隙間をふさいでいます。さらに、よーくみてみると階段の「踏み面」部分だけでなく「蹴上げ」といわれる階段の立ち上がり部分にまでも養生板が貼ってあるんです。
私、そこまでしっかりした養生なんて初めて見ました。
この家を造っていたのは、自分よりもはるかに年下であろう若い大工さんだったのですが、見た目だけで判断するなかれ・・・。頭が下がります。
施工会社 神奈川 (有)新世建設
これは基礎のアンカーボルトをセットしたところの写真です。桟木の下に見えるものがアンカーボルトで、桟木を貫通させて左右の固定をしています。そして、桟木の上に置いてあるかのように見えるものが、土台の固定のためにアンカーボルトを締め付ける金物です。この金物を締めたり緩めたりすることでアンカーボルトの高さを調整しているのです。ミリ単位での調整も簡単にできます。アンカーボルトを鉄筋に結束するだけの施工では微調整はできません。また、コンクリートを流し込んだ際、左右にぶれたり、沈み込んだりしてしまう事もあります。それが正確な位置、高さで設置されるのです。建物にとっても良い事ですし、後で施工する大工さんにとっても気持ちのいいものだと思います。木工事の時にだけ使われる物が基礎施工時にも利用されている。お金をかけずに一手間かけた工夫した施工といえます。
施工会社:東京都(株)ベルクハウス
和室の化粧部材である、長押し(ナゲシ)という材料が床の間の床柱にとりつく部分を写した写真です。あらかじめ床柱を欠き込んでから、長押しをそこへはめ込む納め方をしますが、いわゆる「逃げ」が効かない部分で、大工さんの腕の巧拙が出やすい箇所でもあります。そのため接合部にわずかな隙間が開いてしまったり、特に床柱の形状が不均一であったりする場合などは、ココをきっちりと組み合わせないと各部の「ちり」が不ぞろいになって見苦しい仕上がりとなるケースがあるのです。
こちらの住宅では、床柱の形状に合わせ隙間なく長押が取り付けられており、写真では見えないのですが、長押の木口部分の処理も非常に丁寧にできていました。
また、その隣にある押入れの鴨居(建具用の溝の付いた材料の部分)も綺麗に納められていますね。「良い仕事してますねぇー」という台詞が似合う住宅です。
施工会社 神奈川県(有)新世建設
通常、私共の配筋検査では80〜100箇所ほどの部位をチェックをすることになります。
配筋の仕方など、細部にわたってかなり細かくチェックしますので、普通はどこの現場でも程度の差はあれど、1つや2つは何かしら指摘事項が出てしまうものです。コチラは、「指摘事項0」の配筋工事の現場写真です。鉄筋に歪みや傾きなどもなく、通りがまっすぐに整然と組まれているのがお分かりいただけますでしょうか?非常にキレイな配筋工事ですね。
それに加え、通常、2階建ての木造住宅で使用を求められる鉄筋よりも、太い鉄筋が標準仕様として使われていたのも高ポイントです。
コンクリートを打って隠してしまうのがもったいないくらい。これも技術レベルの高い職人さんによる施工の一例です。
施工会社:神奈川県(有)トータルハウジング久野