検査員が「これは凄い!」とうなった施工方法をや技術・・・・
和室の化粧部材である、長押し(ナゲシ)という材料が床の間の床柱にとりつく部分を写した写真です。あらかじめ床柱を欠き込んでから、長押しをそこへはめ込む納め方をしますが、いわゆる「逃げ」が効かない部分で、大工さんの腕の巧拙が出やすい箇所でもあります。そのため接合部にわずかな隙間が開いてしまったり、特に床柱の形状が不均一であったりする場合などは、ココをきっちりと組み合わせないと各部の「ちり」が不ぞろいになって見苦しい仕上がりとなるケースがあるのです。
こちらの住宅では、床柱の形状に合わせ隙間なく長押が取り付けられており、写真では見えないのですが、長押の木口部分の処理も非常に丁寧にできていました。
また、その隣にある押入れの鴨居(建具用の溝の付いた材料の部分)も綺麗に納められていますね。「良い仕事してますねぇー」という台詞が似合う住宅です。
施工会社 神奈川県(有)新世建設
少し分かりにくい写真で申し訳ないのですが、和室の掃きだし窓の納まりが見事な現場だったので掲載しました。
この家は、いわゆる外断熱(外壁に断熱材を貼る工法)という造り方です。通常、外断熱の場合は断熱材の厚さ分だけ、普通の工法の家よりもサッシが外側に付くことになります。そうなると和室などの柱が見える納まりの場合、サッシには、柱から外側へ持ち出した分だけは付け柱、化粧方立てと言われる材料を後から取り付けたりします。
普通は、あらかじめ柱と、方立てとに少し段差(チリといいますが)をつけて、仕上がった際の寸法の狂いを逃げるようにしますが、コチラの大工さんは、和室の柱と面一(ツライチ)、ほとんど1本の柱で出来上がっているかのような納まりで完成させました。
「これは後々、継ぎ目部分で口を開いてきたりすることないですか?」と恐る恐る聞くと、「そんなことが起きないように、継ぎ目の中にあらかじめちゃんと細工してから繋いであるわ」と仕事の手を止めることもなく、そんなの当たり前だろ そんな感じで淡々と話をしてくれました。
施工会社 神奈川県 且O栄ハウス
今では、ほとんど見なくなってしまいましたが、小舞竹を組んで土壁をつけた家です。この現場では、無垢板などの天然素材も多く使っていましたが、そういった無垢材などを使用しますと、後から「反り」が発生したりするわけです。こちらの家を造った大工さんは、そういった将来起こりうるであろう材木の動きを、あらかじめきちんと考えた仕事をしていました。
写真は、リビング入り口の建具枠を写したものです。枠の留め加工の上手さもさすがですが、壁の下地材と取り合う箇所には、全てきちんと溝をついて納めていました。こうしておけば多少、木の枠が動いても壁に干渉することなく、また壁との間に隙間が生じるようなこともないでしょう。
出来上がってしまうと分からなくなってしまう部分なのですが、良い腕を持った大工さんの仕事には、やっぱり心遣いというものが感じられます。
施工会社 (有)三光住建